少子高齢化社会と言われて久しい日本だが、それに伴い年齢別の人口構成比率も変化している。転職業界においても、若い年代の人口が少なくなるに従い、転職の平均年齢が上がってきているのは事実だ。これまでは、「35歳限界説」が転職業界では有名な言葉で、35歳を過ぎると転職自体が難しくなってくるとされた。

しかし、20代や30代前半の労働人口の減少により、この言葉自体がなくなりつつある。以前は20代~30代前半といった若手の採用に積極的だった企業も、この年代の人材の不足により、年齢で選んでいては人材が確保できない状況になった。そのような背景から、35歳以上の人材の採用を積極的に行う企業も増えてきている。

かといって、35歳以上でも転職が簡単になったかと言えばそうではない。転職業界は、年齢が有利になっていた時代から、年齢の壁を越えてスキルや経験をアピールする時代へと変わりつつある。これまでどんなことをしてきたかや、その業界の専門知識や資格など、よりその人材の中味が重視されるようになったと言ってもいいだろう。

逆に言えば、若いうちから自分のキャリアについて考えて行動している人の方が、転職には有利といってもいい。業界にもよるが、企業のニーズに合った人材であれば、40歳以降でも正社員として転職することは可能である。転職を考えている人は、年齢を気にして焦るよりも、将来のための自分のキャリアの形成にじっくり時間をかけたいところである。